『ビートルジュース ビートルジュース』

ホーム

どんな映画?

ティム・バートン監督最新作。1988年の映画『ビートルジュース』の続編となるコメディ。

あらすじ

かつて人間怖がらせ屋のビートルジュースと結婚させられそうになったリディアは大人になり、霊能力者としてテレビショーに出演している。ひとり娘のアストリッドとはうまく関係を築けておらず、精神的に不安定な日々を恋人のローリーに支えてもらっていた。そんなある日、アーティストとして成功している継母デリアから父急死の知らせを受ける。アストリッドとローリーを連れて実家に戻ったデリアとリディアだったが、アストリッドが死後の世界に連れていかれてしまったものだからさあ大変。リディアは仕方なくビートルジュースに助けを求めることにしたが……。

正当な続編

思ったよりも正当な続編だった。1作目で少女だったリディアが大人になり、また家族の問題を抱えてビートルジュースに助けを求める。今度は母親として。マイケル・キートン、ウィノナ・ライダー、キャサリン・オハラは前作から同役で続投し、リディアの娘にジェナ・オルテガが扮している(ピッタリのキャスティング)。その他、リディアの胡散臭い恋人ローリーにジャスティン・セロー、死後の世界の警官?にウィレム・デフォー、ビートルジュースの元妻にモニカ・ベルッチ(ティム・バートン監督の現在の恋人)と豪華なのだが、ウィレム・デフォーとモニカ・ベルッチはいてもいなくても何の影響もないような役どころで、その辺りもほどよく無駄ばかりで良かった。

そもそも、1作目からしてストーリー自体には何の意味もないのが『ビートルジュース』の魅力。面倒くさくてうっとうしい要素しかないビートルジュースを中心に、とにかくブラックユーモアを織り交ぜながらわちゃわちゃと進んでいき、なんだかんだでリディアが逃げ切ってゴール!!みたいな感じ?くだらないのが正義なので、辻褄など細かいことをについては気にしない……というか、破綻していくるくらいの方がいい。

原点回帰のティム・バートン節(ネタバレあり)

私は小学生の頃から『ビートルジュース』が大好きで、ビデオを買って繰り返し繰り返し観ていた。USJでビートルジュースが出てくるショーも好きだし、『ビートルジュース』は私にとってとてもノスタルジックな気持ちになる作品だ。なので、良い意味で支離滅裂でアナログ感たっぷりの本作は、私にとっては何よりのプレゼントだった。

まさにリディアがそのまま大人になって35年経ちました!という風情のウィノナ・ライダーが生き生きとしていたのが何よりも嬉しかったし、母も娘もしょうもない男に騙されてとんでもないことになる展開も、最初っから見え見えで好きだった。(2人とも最期があっけないのも◎)

ソウル・トレインのシーンのわかりやすい悪ふざけや(ホームにいる人たちはファンキーなファッションに身を包んで「Soul Traln Theme」に合わせて踊っている)、死後の世界の受付の様子、ビートルジュースの勤務部屋の描写など、ティム・バートン色満載のシーンはすべて楽しい。やっぱり、こういった遊び心溢れるなんでもアリ感が彼の作品の魅力。ストーリーなんて二の次で、次はなにが飛び出すのだろう?とワクワクしながら観るのが正しいのだ。

私は2014年に六本木と梅田で開催した「ティム・バートンの世界」展 にプロデューサーとして携わっていたため、ティム・バートン本人にお会いしたことがある。日本開催時は本人も来日したので、その際はもちろん長い時間を共に過ごしたのだが、初対面はチェコのプラハだった。日本の前の開催地がプラハだったので、そこまでプロモーション取材のために会いにいったのだ。

最後にちょっとした自慢を。インタビューのとき、私はシャツにビーズでできたネクタイ、プレッピーなベスト、乗馬パンツのようなスラックスに黒いブーツというコーディネートで臨んだ。すると、その場には10人くらいの取材メンバーがいたにもかかわらず、ティム・バートン監督は真っ先に私のファッションを誉めてくれたのだ!小さい頃から夢中になって観ていた作品を作った人が私を見て褒めてくれたという思い出は、私の一生の宝物になっている。

コメント

タイトルとURLをコピーしました